メインコンテンツへスキップ
Math Maxベータ版

公開日 2026年11月4日

子どもの算数障害(ディスカリキュリア)のサインと相談するタイミング

算数障害(ディスカリキュリア)は、数の意味をつかみにくい学習障害の一つです。知能が低いことや怠けが原因ではありません。

この記事を読んでいるということは、簡単なはずの足し算をじっと見つめたまま、どうしても答えが見えないわが子の姿を見てきたのかもしれません。心配になりますよね。ただ、算数が苦手な子の多くは算数障害ではありませんし、算数障害がある子も、適切な支援で大きく伸びます。ここでは、その見分け方と、次に何をすればいいかをまとめます。

年齢ごとに見られる算数障害のサインは?

算数障害は、数の感覚(数感覚)の弱さとして表れます。たとえば、3つの物を毎回1つずつ数えないとわからない、7と9のどちらが大きいかわからない、4 + 5のような計算を覚えた翌日には忘れてしまう、といった様子です。サインが一つだけなら、あまり意味はありません。しっかり教わっているのに、いくつものサインが何か月も続く。注目すべきはそこです。

英国ディスレクシア協会は、算数障害を算数の学習困難のなかで最も重い形だとしています。数そのものの理解に関わるため、学校で習う算数が変わるにつれて、サインも変わっていきます。

3歳から5歳

就学前の時期にクリーブランド・クリニックが挙げている初期のサインは、主に数えることと量に関するものです。

  • 順番どおりに数え上げるのが難しい
  • 数字と、その数だけの物を結びつけられない(たとえば数字の4とビー玉4個)
  • 書かれた数字がわからない
  • 数を小さい順に並べるのが難しい

家で試してみましょう。テーブルにボタンを3つ置いて、いくつあるか聞いてみます。多くの子は数えなくても、ぱっと見て「3つ」とわかります。何か月たっても毎回ボタンを1つずつ触らないとわからない場合は、上のリストにあるサインの一つが出ていることになります。

6歳から11歳

多くの親が最初に「あれ?」と気づくのがこの時期です。サインは、6歳ごろに学校が始まってから目につくようになることがよくあります。

  • 周りの子がとっくにやめた後も、2 + 3のようなごく小さな計算に指を使う
  • どれだけ練習しても、基本的な計算や九九を忘れてしまう
  • +、−、×、÷を取り違える
  • 針のある時計で時刻を読むのが苦手
  • お金を数えたり、おつりを計算したりするのが難しい

指を使って数えるのは小さな子にとってはごく普通のことなので、それだけで慌てる必要はありません。サインといえるのは、もう指が必要ないはずの年齢になっても、ごく小さな数の足し算を指でしかできない場合だけです。

10代と大人

年齢が上がると、困りごとは日常生活の中に移っていきます。お店で支払っておつりを確かめる、料理で分量を量る、グラフを読む、時間を管理する、といった場面です。授業中にみんなの前で先生に数学の質問をされると、固まってしまう10代の子もいます。

算数障害はどのくらいよくあるの?

専門家の推計では、算数障害は人口の約3〜7%に見られます。30人のクラスなら1人か2人です。算数全般の苦手さはそれよりずっとよくあることで、そこが安心材料でもあります。数に苦戦している子の多くは、埋められる「穴」があるだけで、ずっと続く学習障害ではありません。

英国ディスレクシア協会は、その割合を約6%としています。また、英国では約4人に1人が算数・数学の学習に困難を抱えているとも述べています。「4人に1人」と「100人に6人」のこの差を見ると、なぜこれほど多くの親が心配するのか、そしてなぜその多くが、もっとありふれた問題だとわかるのかが見えてきます。

だから、最悪の事態を決めつけずに見守っていれば大丈夫です。サインを知っておくことは、実際に算数障害がある少数の子どもにとって大切です。そうした子こそ、早く支援を受けることでいちばん大きな効果が得られるからです。

算数障害なのか、ただ算数が苦手なだけなのか?

算数障害は、いつもと同じやり方で練習を増やしても消えるものではありません。単元を一つ抜かしてしまった、転校した、などの理由で遅れているだけの子は、その穴が埋まれば追いつくのがふつうです。しっかり教わって定期的に練習しても、何か月もほとんど変化がない場合は、検査(アセスメント)を受けることを考えましょう。この二つを本当に見分けられるのは、専門の訓練を受けた人だけだからです。

算数障害は、知能や努力とはまったく関係ありません。学び方が人と違う人たちを支援する非営利団体Understoodも、この点ははっきり述べています。算数障害のある子の多くは、ほかの教科では理解が早く、好奇心も旺盛です。その差こそが親を混乱させるのです。学校から成績は「標準の範囲内」と言われたときは、なおさらです。

算数不安の場合は?

算数不安(数学不安)とは、算数や数学に対する恐れのことです。力のある子でも、固まったり、当てずっぽうで答えたり、やろうとしなくなったりするので、外から見ると算数障害によく似て見えることがあります。また、不安は算数障害に伴いやすい状態の一つなので、両方を抱えている子もいます。数が絡むとひどく動揺するようなら、先生や検査をする人に伝えてください。どこまでが不安によるもので、どこまでが数そのものの難しさなのかを見てもらえます。

ディスレクシアとADHD

Understoodによると、算数障害はディスレクシア(読み書き障害)やADHDと一緒に見られることがよくあります。学校で受けている支援が読み書き中心で、算数が置き去りになっていると気づく親は少なくありません。すでにディスレクシアやADHDの支援を受けているなら、算数も支援計画に含まれているか聞いてみましょう。

算数障害はどうやって診断されるの?

算数障害を調べる血液検査や画像検査はありません。専門の訓練を受けた人が、算数の力、数感覚、記憶力を検査し、ほかの原因を除外することで判断します。誰が担当するかは国によって違います。英国では専門資格をもつ教員(スペシャリスト・ティーチャー・アセッサー)が行いますが、ほかの国では心理士や学校の相談機関が担当することもあります。

進め方としては、次の順番がおすすめです。

  1. まず先生に相談する。授業中の様子を聞き、学校で追加の支援ができるか尋ねてみましょう。
  2. 数週間、記録をつける。どんな課題が難しいか。宿題にどれくらい時間がかかるか。子どもが数をどう感じているか。
  3. オンラインのテストや簡易チェックには注意する。英国ディスレクシア協会が指摘しているように、簡易チェック(スクリーニング)で算数障害を診断することはできません。わかるのは、本格的な検査を受ける意味がありそうだということだけです。
  4. 改善しなければ、本格的な検査を依頼する。お住まいの地域で誰が検査をしているかは、学校やお子さんのかかりつけ医に聞けば教えてもらえます。

支援を始めるのに、診断を待つ必要はありません。英国ディスレクシア協会によると、英国では子どもが支援を受けるのに診断は必要なく、学校には配慮を行う義務があります。民間の検査は高額になることもあるので、診断がつくと子どもにとって何が変わるのか、まず学校に聞いてみるのも当然のことです。

算数障害のある子どもに役立つことは?

算数障害のある子どもには、苦手なスキルにぴったり合わせた指導を、一歩ずつ、多くの場合は一対一か少人数で行うのがいちばん効果的です。治す方法はありませんが、適切な支援は確かに役に立ちます。そして、早く始めるほど効果が大きくなります。

クリーブランド・クリニックは、支援を「その子がいちばん苦手なことを中心に組み立てた一対一の学習プログラム」と説明しています。Understoodの言い方はシンプルです。算数障害のある子は、早く支援を受けるほどよい、と。

学校での配慮として、英国ディスレクシア協会は次のようなものを挙げています。

  • 机の上に数直線や九九表を置く
  • おはじきや積み木など、手で動かせる物を使う
  • 算数の課題やテストの時間を延長する
  • 一部の課題で電卓を使う
  • 補助の先生と一対一や少人数で取り組む時間をつくる

家庭でできるいちばん役に立つことは、プレッシャーを取り除くことです。算数に触れる時間は短く、穏やかに。階段を数える、ぶどうを分ける、6人分の食卓を準備する。サイコロ、ドミノ、トランプなどのゲームなら、宿題のような感じにならずに「いくつある?」「どっちが多い?」と聞くチャンスがたくさんあります。速さではなく、どうやって答えを出したかをほめましょう。そして、きょうだいや同級生と比べるのは絶対にやめましょう。

ゲームが役立つのも同じ理由です。Math Maxでは、バトルでの攻撃一つひとつが算数の問題になっています。だから子どもは、ドリルに言われたからではなく、自分のキャラクターを勝たせたくて計算を解きます。数の大小比べゲームではどちらの数が大きいかを、数の合成・分解ゲームでは3と7で10になるような、ある数になる組み合わせを練習できます。下のバトルの問題は「10の前の数は?」で、上のサインに出てきたのと同じ、数の順番に関する問題です。学校の支援の代わりではなく、それと並行して、気楽な遊びとして使ってください。

砂漠のステージで紫のブロッコリーとにんにくのキャラクターが戦うMath Maxのバトル画面。「10の前の数は?」という問題と、プレイヤーごとの数字パッドが表示されている

10代や大人にも算数障害はあるの?

あります。算数障害は一生続くものなので、成長すれば自然になくなるわけではありません。お金、時間、予算、距離の見積もりといった場面で表れやすくなります。10代や大人も検査を受けられるので、知るのに遅すぎることはありません。ずっと数が苦手だった10代の子には、確かめてみる十分な理由があります。

10代の場合は、数学の困りごとと生活の中の困りごとが重なっていないかを見てください。数学の授業で固まる、よく遅刻する、お金の管理ができなくなる、といったことが典型的です。ほかの教科が順調でも、学校に相談する価値があります。

算数障害のある大人は、電卓、デジタル時計、仕事で数を扱うときに少し多めに時間をとる、といったシンプルな工夫に頼ることがよくあります。大人になってから算数を学び直したい人からは、基礎の基礎まで戻って、それぞれのやり方がなぜうまくいくのかを理解したのが役立った、という声がよく聞かれます。

「算数障害」という言葉を初めて聞いたばかりなら、先のことが不安になるかもしれません。保護者向けの掲示板では、算数障害のある大人たちが、心配する親に同じように答えていることがよくあります。自分なりのやり方を見つけてきたし、楽しめる生活や仕事を築いてきた、と。

大切なのは名前より適切な支援を受けること

当てはまるサインがいくつもあって、何か月も続いているなら、先生に相談して検査について聞いてみましょう。当てはまるのが一つか二つだけなら、家での算数は短く、穏やかに、楽しく続けて、これから数か月の様子を見てください。

結果がどうであれ、お子さんは怠けているわけでも、頭が悪いわけでもありません。数が苦手な子なら誰にとっても、根気強く、手を動かしながら数に触れる支援が役に立ちます。

次はこれを鍛えよう

読むのはこのへんで。さあ、パンチを放ちに行こう。