九九表は、九九のすべての答えを一か所にまとめた表です。多くの子どもは、覚えなければならない数の一覧だと思っています。でも、少しよく見ると、表はパターンでいっぱいです。そのパターンこそが、九九表を「たよるための道具」から、かけ算を本当に理解するための道具に変えてくれます。
九九表はどうやって読むのですか?
九九表を読むには、最初の数を左はしの列から、二つ目の数を上の行から探します。その行を右へ、その列を下へたどっていき、二つが出会うところを見つけます。そのマスの数が答えです。6の段の行と7の列は42で出会うので、6 × 7 = 42です。
例
お子さんが4 × 9の答えを知りたいとします。左の列の4に指を一本、上の行の9にもう一本の指をおきます。最初の指を右へ、二本目の指を下へすべらせます。二本の指は36で出会うので、4 × 9 = 36です。下に、12 × 12までの表のすべての段をのせました。それぞれの段には、その数に1から12をかけた答えが並んでいます。

- 1の段:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12
- 2の段:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24
- 3の段:3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36
- 4の段:4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48
- 5の段:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60
- 6の段:6、12、18、24、30、36、42、48、54、60、66、72
- 7の段:7、14、21、28、35、42、49、56、63、70、77、84
- 8の段:8、16、24、32、40、48、56、64、72、80、88、96
- 9の段:9、18、27、36、45、54、63、72、81、90、99、108
- 10の段:10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120
- 11の段:11、22、33、44、55、66、77、88、99、110、121、132
- 12の段:12、24、36、48、60、72、84、96、108、120、132、144
国によって、表が10 × 10までのものもあれば、12 × 12までのものもあります。下のパターンは、どちらでも同じように使えます。
九九表にはどんなパターンがかくれていますか?
九九表はパターンでいっぱいです。対角線にそって対称になっていて、対角線上には平方数が並び、ある段がほかの段の倍になっていたり、多くの段で一の位の数字がくり返されたりします。こうしたパターンに気づけば、子どもが覚える式はずっと少なくなり、覚える式にも意味が見えてきます。
九九表は鏡になっている
3 × 8を見つけて、次に8 × 3を見つけましょう。どちらのマスも24です。かける順番を変えても答えは変わらないので、表全体が、左上から右下への対角線を境に、鏡に映したようになっています。
このパターン一つで、覚える量はおよそ半分になります。0、1、10のかんたんな式をのぞくと、2 × 2から9 × 9までの式は、ちがうものがたった36個になります。
対角線には平方数が並ぶ
対角線上のマスは1、4、9、16、25と続きます。どれも同じ数どうしをかけた数なので、平方数とよばれます。対角線を一つ下がるごとに、次の奇数がたされます。1たす3は4、それに5をたすと9、7をたすと16です。
2の段、4の段、8の段は倍の関係
4の段の数は、どれもその上にある2の段の数の倍です。8の段は4の段の倍です。だから、2 × 7 = 14を知っている子どもは、倍にして4 × 7 = 28、もう一度倍にして8 × 7 = 56を求められます。3の段と6の段にも同じ関係があります。
5の段と10の段は終わり方が同じ
10の段の答えは、どれも0で終わります。5の段の答えは、5と0で交互に終わります。そして5の段の答えは、どれもその下にある10の段の答えの半分です。5 × 8は10 × 8の半分なので、40です。
9の段は、一方の位が上がり、もう一方が下がる
9の段を90まで読んでみましょう。答えは9、18、27、36、45、54、63、72、81、90です。十の位は一つずつ上がり、一の位は一つずつ下がります。二つの数字をたすといつも9になるので、答えをすばやく確かめられます。
3の段には各位の数字の和のパターンがある
3の段の答えの、各位の数字をたしてみましょう。12なら3、15なら6、18なら9、21ならまた3です。各位の数字の和は、3、6、9、3、6、9とずっと続きます。一の位もおもしろく、3 × 1から3 × 10までで、0から9までのすべての数字がちょうど一回ずつ出てきます。
11の段は同じ数字が並ぶ
11 × 9までは、どの答えも同じ数字が二つ並びます。11 × 4 = 44、11 × 7 = 77です。そのあとはパターンが変わる(110、121、132)ので、パターンには限界があることを伝えるよい機会になります。
どの段も同じ数ずつ増える
どの段も、毎回同じ数ずつ増えていきます。7の段は7ずつ、12の段は12ずつ増えます。だから、お子さんが7 × 8を忘れても、7 × 7 = 49のように知っている式から始めて、もう一つ7をたせば56が出せます。
九九表は九九を覚えるのにどう役立ちますか?
九九表がいちばん役立つのは、答えを調べるためではなく、答えを考え出すために使うときです。まず知っている式から答えを出させて、そのあと表で確かめさせましょう。続けていくうちに、パターンや式どうしのつながりが働くようになり、表は少しずつ必要なくなります。
例
お子さんは6 × 8を知りません。でも、5 × 8 = 40は知っています。8が六つは、8が五つより8が一つ多いので、6 × 8 = 40 + 8 = 48です。ここで表を確かめると、48になっています。答えを見つけただけでなく、どの式にも使える方法を練習できたのです。
家庭でうまくいく方法を、ほかにもいくつか紹介します。
- お子さんがもう知っている式に色をぬります。もう半分色がついた表を見ると、とても励みになります。
- 空の表をかいて、お子さんに一段ずつ、記憶から書きこんでもらいます。
- いくつかのマスを付せんでかくして、下にある数を考えてもらいます。
表になじんできたら、かけ算ゲームを短く何回かプレイしましょう。楽しい対戦の中で、同じ式をすばやく使えるようになります。スピードをつけるためのアイデアは、ガイド「九九を早く覚える方法」でもっと紹介しています。また、九九ゲームのページでは、お子さんが集中したい段を一つ選べます。一回長くやるより、短い練習を定期的に続けるほうが効果的です。

九九表を使うのはずるいことですか?
九九表を使っても、お子さんの学びに役立つなら、ずるいことではありません。問題になるのは、表が学ぶことの代わりになり、子どもが一つの式も覚える必要がなくなってしまうときだけです。目指すのは、表を一度も見せてもらえない子どもではなく、表のしくみを理解して、少しずつ表がいらなくなる子どもです。
例
お子さんがわり算の筆算を習っているとします。7 × 8に力を使いはたしてしまうと、新しいやり方についていけなくなります。その授業で表を使わせれば、わり算に集中できます。九九そのものを学ぶ授業のときは、表をしまいます。
表が一生手放せなくなるのではと心配する保護者は多くいます。表がいつもそばにあって、だれも子どもに式を思い出させないなら、そのおそれは本当にあります。表をパターン探しに使い、そのあと少しずつはずしていけば、そのおそれはずっと小さくなります。
お子さんに記憶の苦手さや学習障害がある場合は、学校で表を使うことが支援として認められていることがあります。その場合は、家で表を取り上げるのではなく、どのように、いつ使うべきかを先生と相談しましょう。
表はいつ卒業すればいいですか?
決まった年齢はなく、準備ができる時期は子どもによってちがいます。表から無理なく卒業するには、段階をふんで減らしていきましょう。
- 最初は、どんな課題にも表全体を使います。
- お子さんがよく知っている段をかくし、まだ覚えている途中の式だけが見えるようにします。
- 課題の前に、自分で書きこむ空の表に切りかえます。
- 表を見えないところにしまい、あとで答えを確かめるときだけ使います。
今の段階がかんたんに感じられたら、次の段階に進みます。つかれた日に一つ前の段階にもどるのは、かまいません。
理解した九九表は、やがていらなくなる
九九表は、上から下まで丸暗記する一覧ではありません。鏡、倍、くり返しのパターンがある、数どうしのつながりを表す地図です。お子さんがそのパターンに気づけるように手伝い、知っている式から新しい式を導くのに表を使い、自信がついてきたら、表を少しずつ背景にしりぞけていきましょう。
次はこれを鍛えよう
