英語のダジャレに頼るなぞなぞは、ここにはありません。パズルは5歳から14歳くらいまで年齢別に分けてあり、各グループの最後に答えと考え方を載せています。答え合わせだけでなく、子どもへの説明にも使えます。パズルのあとには、授業でうまくいく取り入れ方もいくつか紹介します。
5歳から7歳に向いている算数パズルは?
5歳から7歳には、小さな数を使い、鳥や足、いちごのように子どもが思い浮かべたり手に取ったりできるものが出てくる算数パズルがいちばんです。おはじきや指、簡単な絵を使わせてあげましょう。この年齢で大切なのは、速く答えることではなく、きまりに気づいてそれを説明することです。
問題は声に出して読んであげてください。子どもが間違えたら、何か言う前に、どうやってその答えになったのか聞いてみましょう。自分でミスに気づくことがよくあります。
- 次にくる数は? 2, 4, 6, ?, 10
- へいに鳥が5羽とまっています。2羽が飛んでいき、3羽がやってきました。いま、へいには何羽いるでしょう?
- 犬2匹と鳥3羽の足は、あわせて何本でしょう?
- いちご12個を3人の友だちで同じ数ずつ分けます。1人何個になるでしょう?
- 次にくる数は? 1, 1, 2, 2, 3, 3, ?
- ある数を思い浮かべています。その数に3をたすと10になります。思い浮かべた数はいくつでしょう?
5歳から7歳の答え
- 8。数が2ずつ増えているからです。
- 6羽。2羽飛んでいくと3羽残り、3羽増えて6羽です。
- 14本。犬2匹で8本、鳥3羽で6本、8 + 6 = 14です。
- 1人4個。トランプを配るように1個ずつ配っていくと、全員4個ずつになります。
- 4。どの数も2回ずつ出てから、次の数に進みます。
- 7。7から10まで指で数えると、ちょうど3たしたことになります。
8歳から10歳に合う算数パズルは?
8歳から10歳の子どもは、何段階かあるパズルに取り組めるようになります。最初の予想を確かめて、よりよい答えに直していくタイプのパズルです。魔方陣や数のきまり、記号の穴うめがぴったりです。たし算やひき算、九九の練習になりますが、子どもは練習というより挑戦だと感じることが多いようです。
- 魔方陣。1から9までの数を3 × 3のマスに入れて、たて、よこ、2本のななめのどれをたしても15になるようにしましょう。5はまん中に入ります。
- 次にくる数は? 1, 4, 9, 16, ?, 36
- 次にくる数は? 1, 1, 2, 3, 5, 8, ?
- +、−、×、÷のどれかを入れて、式を完成させましょう。6 ? 3 ? 2 = 4
- ある農場にニワトリと牛がいます。頭はあわせて10、足はあわせて28本です。牛は何頭いるでしょう?
- 本とペンはあわせて110コインです。本はペンより100コイン高いです。ペンはいくらでしょう?

8歳から10歳の答え
- 答えの一つは、上の段から2, 7, 6、次に9, 5, 1、最後に4, 3, 8です。これを回転させたり裏返したりしたものも正解です。行きづまっている子には、偶数は四すみに入ると教えてあげましょう。
- 25。1 × 1、2 × 2、3 × 3と続く平方数なので、空いているところは5 × 5です。
- 13。どの数も、前の2つの数の和になっています。これが気に入った子は、ひまわりや松ぼっくりにも現れるフィボナッチ数列もきっと楽しめます。
- 答えは2つあります。6 ÷ 3 + 2 = 4と6 ÷ 3 × 2 = 4です。早く終わった子には、2つ目を探してもらうとよいでしょう。
- 牛は4頭。10匹全部がニワトリだとすると、足は20本です。残りの8本は牛の分で、牛はニワトリより足が2本多いので、牛は4頭、ニワトリは6羽です。
- 5コイン。たいていの人は、最初に10と答えます。でもそれだと本は110で、あわせて120になり、多すぎます。ペンが5、本が105なら、あわせて110で、差は100です。
魔方陣の歴史は古く、中国には、洛水という川から出てきた亀の甲羅にこの模様があったという伝説があります。中国では今も、この方陣を洛書と呼んでいます。
11歳から14歳に手ごたえのある算数パズルは?
11歳から14歳になると、正解がたくさんあるパズルや、長い計算より賢い近道が生きるパズルにも取り組めます。フォー・フォーズ(4つの4)、握手の問題、大きな数のきまりなどがおすすめです。生徒はアイデアを試し、仕組みを探し、やり方を説明しなければなりません。いろいろな力の子がいるクラスでも、同じパズルにそれぞれのレベルで取り組めます。
- フォー・フォーズ。4をちょうど4つと、+、−、×、÷、かっこを使って、1から10までのすべての数を作りましょう。4を2つ並べて44にしてもかまいません。
- 10人が集まり、全員がほかの全員と1回ずつ握手します。握手は全部で何回でしょう?
- 1から100までの整数をすべてたしましょう。1つずつたさずに求められますか?
- 4, 5, 6のように続いた3つの数をたすと48になります。その3つの数は何でしょう?
- 2を20個かけ合わせた数の、一の位の数字は何でしょう?
11歳から14歳の答え
- 一例を挙げます。ほかにもたくさんあり、見くらべるのも楽しみの半分です。
- 1 = 44 ÷ 44
- 2 = 4 ÷ 4 + 4 ÷ 4
- 3 = (4 + 4 + 4) ÷ 4
- 4 = 4 × (4 − 4) + 4
- 5 = (4 × 4 + 4) ÷ 4
- 6 = 4 + (4 + 4) ÷ 4
- 7 = 44 ÷ 4 − 4
- 8 = 4 + 4 + 4 − 4
- 9 = 4 + 4 + 4 ÷ 4
- 10 = (44 − 4) ÷ 4
- 45回。10人がそれぞれ9人と握手するので、10 × 9 = 90です。でもこれでは、どの握手も両側から1回ずつ、2回数えています。なので答えは90 ÷ 2 = 45です。
- 5050。外側から順にペアにします。1 + 100 = 101、2 + 99 = 101、というように続けると、ペアは50組できて、50 × 101 = 5050です。
- 15, 16, 17。続いた3つの数の和は、いつもまん中の数の3倍なので、まん中は48 ÷ 3 = 16です。
- 6。2, 4, 8, 16, 32…の一の位は、2, 4, 8, 6の4つでくり返します。20は4の倍数なので、一の位は6です。数全体は1,048,576です。
フォー・フォーズは100年以上も前からあるパズルですが、最初でつまずく人がいないので、今でも盛り上がります。1と2はほとんどの人がすぐに見つけます。議論が始まるのは7と9あたりからです。
授業で算数パズルをどう使う?
パズルは、長期休み前の最後の授業のごほうびにするより、毎週くり返す短い習慣にするのがいちばんです。5分間のウォームアップ、教室に貼る「今週のパズル」、早く終わった子のためのパズルボックスなら、すぐに始められます。まずは一人で考えさせ、そのあとペアで考えを見せ合いましょう。
教師のドナ・ポールさんは、算数の授業で論理パズルを使う方法についてのEdutopiaの記事で、こうした習慣を紹介しています。生徒は最初の1分間は一人で取り組み、そのあとペアの相手に自分の考え方を説明しました。また、小さなボードに「今週のパズル」を掲示して、やりたい生徒が挑戦できるようにしていました。
先生たちの実践から生まれた、ちょっとしたコツが大きな違いを生みます。
- ウォームアップでは見えるところにタイマーを置き、パズルで授業がまるごとつぶれないようにしましょう。
- 早く終わった子がほしいのは、同じ問題の追加ではなく、ちがう種類の課題であることが多いものです。パズルボックスなら、それに応えられます。
- 最後に2、3人の生徒に、それぞれ別のやり方を説明してもらいましょう。この短い話し合いの中で、学びのほとんどが生まれます。
数のきまりは、黒板に数を1行書くだけで話し合いが始められるので、手軽なウォームアップになります。続きには、数列ゲームを何ラウンドか遊ぶのもおすすめです。下の画像の30, 40, ?, 60, 70のように、きまりの中の抜けた数を見つけるゲームです。学校向けMath Maxを使えば、クラス全員で取り組めて、時間も同じ5分に収められます。

すべての活動を学習指導要領と結びつけたい学校もありますが、パズルは単元ごとに合わせやすいものです。数列はきまりの学習に、農場のパズルはかけ算に、フォー・フォーズは計算の順序の練習に、こっそり使えます。
子どもが行きづまったら答えを教えるべき?
まずは答えではなく、ヒントを出しましょう。よいヒントは、絵にかいてみる、小さな数で試してみるなど、最初の一歩を示します。ヒントを2、3回出してもうまくいかなければ、一緒に解き方をたどり、数日後に似たパズルを出して、今度は一人で試せるようにしましょう。
ほとんどのパズルには、シンプルなヒントの段階が使えます。
- ここまでに何を試したか聞く。
- 絵にかく、予想して確かめる、小さな数で試すなどの作戦を提案する。
- 「5はまん中に入るよ」のように、答えの一部を教える。
- 一緒に解いてから、似たパズルを渡す。
子どもにどれくらい自分で悩ませるべきかについては、先生の間でも意見が分かれます。何のフィードバックもないまま長く悩むと、いらいらしてしまったり、間違った答えを正しいと思いこんでしまったりしがちです。少し悩んで、ヒントをもらい、クラスで話し合う。この流れなら、どちらも避けられます。
算数パズルは算数の力を伸ばす?
パズルでは、プリントではあまり求められないことを練習できます。やり方を選び、試し、説明することです。よいパズルは、どの子も取りかかれて、それでいて本当の手ごたえがあります。先生たちはこうした課題を「低い床、高い天井」と呼んでいて、習熟度がまちまちなクラスによく合います。
これについての研究結果は、期待はもてるものの控えめです。教育基金財団(Education Endowment Foundation)の7歳から14歳の算数を伸ばすためのガイダンスは、問題を解くための方略を教えることをすすめる一方で、研究の結果にはばらつきがあるとも述べています。ですから、パズルは魔法の解決策ではなく、いくつかあるよい習慣の一つと考えてください。
パズルを選ぶときには、簡単な見分け方があります。クラスのだれも取りかかれなければ難しすぎ、だれも行きづまらなければ簡単すぎます。
いちばんのパズルは、どの子も取りかかれて、それでも行きづまるもの
どの子も始められるパズルを選び、難しいものはあとにとっておきましょう。子どもがどう解いたかを説明する時間もとってください。2つのやり方を聞くほうが、正解を1つ知るより多くを学べます。気楽な雰囲気を大切にして、行きづまることもゲームの一部だと感じられるようにしましょう。
次はこれを鍛えよう
